ニット総合カタログ
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技術資料4.素材について金 属鉄鋼系材料(普通鋼)鋳鉄鍛鋼種類が豊富で一般に広く使われている鋼材です。部位にあった適切な材料をJIS規格材の中から使用しています。一般的には鋳物の名称で広く利用されています。鋳物とは、金属を溶かし、砂または金属で造った型に流し込んでさまざまな形状にしたものをいい、最大の利点は、多様な形状のものが、一体感のある製品として重厚感をもって仕上がることです。また、再利用可能な材料でもあります。ニットでは用途に応じて、材質の異なる鋳物を選んで使用しています。● 丸形鋼管 : 配管用炭素鋼鋼管 SGP JIS G3452 一般構造用炭素鋼鋼管 STK400 JIS G3444● 角形鋼管 : 一般構造用角形鋼管 STKR400 JIS G3466● 平鋼・等辺山形鋼 : 一般構造用圧延鋼材 SS400 JIS G3101● 炭素鋼鍛鋼 : SF390A JIS G3201ぶらんこのフックやシートの 金具に使用しています。 ● ねずみ鋳鉄(普通鋳鉄) : 3種 FC200 JIS G5501さほど強度を必要としない ベンチの脚に使用しています。 ● 球状黒鉛鋳鉄(ダクタイル鋳鉄): 2種 FCD450 JIS G5502引張り強さが鋼と同じくらい強く柔軟性もあるこの材質を、ニットでは遊具継手等に使用しています。一般的には鍛造の名称で広く利用されています。鍛造は、可鍛性のある金属を高温に加熱して、ハンマーやプレスなどで大きな力を加えて所要の寸法形状に成形すると同時に、組織や性質を改良する加工法です。鍛造されると、結晶粒は圧縮されながら広がった方向に長く伸びて繊維組織となります。このため鍛造品は衝撃への強さや伸びが著しく改善されます。ステンレス鋼字義の通り、Stain(錆び、汚れ、染み)Less(〜の無い、〜の少ない)Steel(鋼)です。西暦1912年に、鉄にクロム(12%)を合金することで、酸の腐食に耐えるこの合金鉄が作られました。化学成分としての分け方ではCr(クロム)系とCr-Ni(クロム、ニッケル)系に大別されます。多くのステンレス鋼は、さまざまな理由からニッケル(Ni)を含有していますが、特にニッケルを添加することで、結晶構造がフェライトからオーステナイトに変化します。オーステナイト・ステンレス鋼は延性・靭性が高く、最も重要なことは、成形加工や溶接が容易であるということです。オーステナイト・ステンレス鋼は焼きなまし状態で非磁性であり、最も一般的な鋼種であるSUS304は18/8(Cr18-Ni8)とも呼ばれ、世界中で広く使用されています。ニットのステンレス製品も、SUS304を使用しています。 284

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