船が恐竜として蘇った遊具――「ジュラシックボイジャー」

「あの公園といえば、やっぱりアレだよね?」
巨大すべり台や個性的な像など、公園には‶シンボルとなる遊具″が設置されているケースは多々あります。シンボル遊具があると公園の認知度は上がり、さらには地域住民や子どもたちから長く愛される傾向があるようです。

その一方、どんな遊具も古くなれば改修なり撤去するなり、遊具を入れ替えることになります。このような場合、いつも真っ先に考えるのは、シンボル遊具に慣れ親しんだ子どもたちの気持ちです。
「どうすれば新しい遊具を気に入り、再び長く遊んでもらえるだろうか?」

シンボル遊具への愛着が深ければ深いほど、またデザインが個性的であるほど、入れ替える遊具のデザインや設計には頭を悩ませます。今回は、そんな「シンボル遊具の入れ替え」という事例です。

その公園に、恐竜が住んでいた?

タコのすべり台やキリンの像など、動物をモチーフにしたシンボル遊具はお馴染みの光景かと思います。やはり、姿形がカワイイ動物には子どもの関心も向くものです。ところが同じ生き物とはいえ、時代を遥かに遡った動物をシンボルに取り入れた公園があります。

恐竜です。しかも、大胆すぎるほど大きく、リアルにつくられた像――。存在感あふれるその姿には、子どものみならず大人まで圧倒されてしまいます。

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(公園の主のように生きる「緑色の首長竜」)

まるで海面から上半身をヌッと現わしたような、生き生きと表現された恐竜の像です。幼い子どもが間近に見上げれば、さぞ迫力に驚くに違いありません。ちなみに今回の入れ替えとなる対象スペースは、恐竜の向こうに見える樹々の下。かつてここには「帆船型のコンビネーション遊具」が置かれ、長く愛用されていたようです。

つまり、「恐竜と船」という2つの遊具こそが、公園のシンボルだったわけです。不思議な組み合わせですね。ただ、どことなく古代の海を思わせる壮大なテーマ性も感じます。恐竜を残しつつ、帆船の後にどんな遊具を設置するか――。これが入れ替えのテーマとなりました。

まずは古い遊具を撤去します。更地になったスペースにトラックが入り込み、作業が始まります。

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(鉄パイプが運び込まれ、作業がスタート)

何をつくっているのでしょうか。格子状に組まれた鉄パイプがいくつか見えるだけで、この段階ではまったく見当がつきませんね。作業の向こうには恐竜の尻尾が見えます。ジッと息を潜めて、新たな遊具の誕生を見守っているかのようです。

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(黄色い遊具はキリンかな?)

と、最初に現れたのはスロープと階段です。下で作業をする人、そしてスロープの上にいる人を見ると、まずまずの高さであることが分かります。下の方にチラッと見える、鮮やかな黄色のパーツ。長い首のようなフォルムから察するに、もしやキリンの遊具?

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(ジャングルジムがついた「コンビネーション遊具」)

こちらは別角度からの作業風景。先ほどの鉄パイプはジャングルジムの骨格のようで、すでに完成しつつあります。右手には岩登りのような遊びが味わえる「ロッククライム」、左手には青い回転型のスライダーが見えます。いろんなアイテムが1つに詰まったコンビネーション遊具のようです。

しかし、作業はまだまだ続きそうな気配――。
かつてのシンボルだった帆船は、果たしてどんな姿に生まれ変わるのでしょうか。

タイムスリップして恐竜と合体?

さらに別角度から眺めると、ジャングルジムにはもう1つのすべり台が。次第にアイテムが増えていき、縦長のコンビネーション遊具になることが判明します。もともと帆船型の遊具があったスペースだから、形状をそのまま活かした格好です。

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(縦長のコンビネーション遊具になるのかな)

そして、ようやく全貌が見えることに。

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(恐竜をモチーフにした帆船タイプの遊具「ジュラシックボイジャー」)

キリンかと想像した黄色の部分は、じつは長く曲がった首と顔。そして、横顔から明らかになったのは「恐竜」ということです。つまり、リアルな緑の恐竜像が立つ公園に、さらにもう1頭の恐竜が出現したわけです。なかなか面白いですね。

といっても、単なる恐竜ではないようです。
「子どもたちが遊んでいた古い帆船は、ひょんなことからタイムスリップしてしまったんです。いろんな時代を彷徨うなかで太古の時代へと迷い込み、ついに恐竜と合体してしまった。そして、恐竜の船首像がついた『不思議な船』として、また現在の公園に蘇ったわけです」

遊具に込めたテーマを語るのは、開発に携わったNittoのデザイナー。子どもたちが慣れ親しんだ帆船の面影はそのままに、公園のシンボルである恐竜も加えることで、‶どこか懐かしいけどワクワク全開の新しい遊具″へと生まれ変わらせたのです。その名は「ジュラシックボイジャー」。

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(ジュラシックボイジャーの「パース」)

アイテムは、2つのすべり台やスロープなど計8つ。帆船ということで、長い船のなかを縦横無尽に登ったり滑ったり、元気に遊び回れる設計です。船のデッキに立てば、すぐ隣を泳ぐリアルな恐竜が見えるため、航海気分も満点!これまで以上に公園が面白くなることを期待します。

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(恐竜のご対面は、この公園ならではの風景)

「まるで新入りが、先輩に挨拶してるみたい!」
「2頭の輪郭がハートマークに見えない?」

新たな遊具で子どもたちがたくさん遊んでくれることを、2頭の恐竜も願っているのかもしれません。


「恐竜デザイン遊具」に関するお問い合わせはこちら
http://www.nitto-sg.co.jp/contact/

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