理想のインクルーシブ公園に向けて、産官学民の垣根を越えて研究する未来公園LABO。第1回目のわーくしょっぷで見えた、サポーターがいなくても気軽に遊びに来やすい公園という理想像。
それに向けて第2回目のワークショップ「作ろう!インクルーシブ公園」では、心のバリアを越える方法を話し合い、そしてそれをイベント「にっとぱーくであそぼう!」で実践する。そんな試行的な取り組みを行いました。そして未来に向けて、当事者の声を聞き、ユーザーが創り出すインクルーシブ遊具を考え開発する第一歩を踏み出しました。
障がいがある子が生まれた日から、話しかけられにくい存在になった
一回目のわーくしょっぷでお母さんから聞いた言葉です。子どもが大きくなるにつれ、親のほうが周りの子との違いに心が辛くなり公園へ行けなくなる、という言葉も。周りの子と違いがあると、周囲の目線や気遣いにものすごく敏感になってしまいます。周りの子だって、決して避けているわけではないけど、どうやって一緒に遊ぶか、接し方がわからなかったり、ケガをさせたり嫌な思いをさせないか不安で近寄れない方がほとんどだと思います。
では利用者同士、何ができるだろう?にっとぱーくであそぼう!イベントでアイデアを実践しました。
・遊具に並んでいる時がお話チャンス
・砂場でおもちゃシェア
・なかよし名刺交換
・地面にチョークでお絵かき
・とにかく話しかける!
イベント当日は春の嵐・・・名刺交換などできなかったこともありましたが、砂場や回転遊具など、一緒に留まって遊ぶ遊具では挨拶などのコミュニケーションが生まれました!この距離感を作るのも、遊具の大事な役割だと感じます。
新作遊具も大好評!
いろんなテーブルタイプの砂場を使ってきたHさん、今回の砂場が一番いい!とお墨付きをいただきました。実際に砂に夢中になってずっと遊んでくれていました。筋緊張が強いFさんも、使いやすい高さのテーブルで砂の棒倒しに挑戦。できた~!と拍手が起こります。
新しい発想でリニューアルした背もたれ付きのぶらんこシート。ベルトや安全バーがついていないのですが、実はこれ、座位をとるのが難しい子どもたちの車いすを作るメーカーと共同開発した、誰もが安定した姿勢でリラックスして乗れるぶらんこシートなんです。今までのシートでは姿勢が安定せず素材が硬くて座りにくかった子や怖くて乗れなかった子も、笑顔で乗れちゃう魔法のぶらんこです!
ここにっとぱーくには羽村特別支援学校が隣接し、生徒さんが毎日のように利用されます。そんな環境ならではの施設として、気持ちが興奮してしまった時に逃げ込める「カームダウンスペース」を試験的に設置し、自由に使ってもらいました。
ユーザー発 未来の遊具開発へ
未来の遊具開発の第一歩として、遊具投票も行いました。遊具で遊んで楽しい記憶が鮮明なうちに、いろんな遊具を見て選択してもらいます。気持ちやアイデアを伝える方法を、その子に合わせて用意していく必要があります。遊んでいる様子をしっかり観察することも、声を聞くことと同様に大切な方法の一つです。
第2回わーくしょっぷでお話頂いた特別支援学校での「私たちの理想の公園」制作秘話を参考にさせてもらい、これからも未来に向かって走り続けます。
最後に、駐車場やトイレ、おむつ替えスペースを貸していただいた羽村特別支援学校さま、イベント開催に備品提供、サポーターとして参加いただいた羽村市さま、地域との繋がりを大事に考えご協力いただきましたこと感謝申し上げます。