4月6日、私たち日都産業は「さくらまつり」に出展しました。日野自動車さん主催のもと、テストコースの試乗会があったり、お笑い芸人のショーがあったり、いろんな屋台が並んだりと、毎年恒例の愉快なイベント。幸い天候にも恵まれ、大勢の家族連れで賑わいました。
(キレイですね、日野自動車さんの羽村工場)
さて、私たちは遊具メーカー。来場者のみなさんに楽しんでもらうため、この日は特別に、普段は公園にあるはずの遊具を会場に運び込みました。いろんな遊具を設置するなか、毎年最も人気を集めるのが「トラックスライダー」です。
(かなりの順番待ちとなったコラボ遊具「トラックスライダー」)
日野自動車さんの2トントラックの荷台に、日都産業のすべり台を取り付けたコラボレーション遊具です。インパクトのある見た目、さらにはこの日しか体験できない限定遊具とあって、今年も多くの人に集まっていただきました。もはや、さくらまつりの‶ちょっとした名物〟みたいになっています。
「ねえ、このすべり台って、どうやってつくるの?」
トラックスライダーを遠巻きに眺めていた小さな男の子が、ふと、わたしたち社員の方を見上げて尋ねました。
「・・・どうって、バラバラのパーツを工場から運び出して・・・」
「それで、それで?」
男の子のキラキラした眼差しが、私たちには新鮮でした。よくよく考えると、今回のトラックスライダーに限らず、子どもたちが日ごろ公園で目にするのは‶完成した遊具〟。どんな素材を使い、どんなパーツを組み合わせ、どんな工程を経て、どのように公園に設置されるのか――。つまり「遊具ができるまで」を知らないのです。
私たちには当たり前のことも、子どもには‶不思議な世界〟のようです。
「じゃあ、今度教えてあげるネ」
遊具の世界をもっと知ってほしい――。
そんなこともあり、今回は「トラックスライダーができるまで」を簡単にご紹介したいと思います。
「うんしょ、うんしょ」と運ぶのです
トラックスライダーには2本のすべり台がついています。波型の青いすべり台は最初から完成していますが、青色と黄色のトンネルタイプは幾つかのパーツに分かれています。バラバラのまま運ぶのですが、それにしても大きいですね。大人とさほど変わらず、なかなかの迫力です。
(ゆっくり持ち上げる巨大なパーツ)
トラックの荷台に載せるのは4人がかりで慎重に行います。パーツとはいえかなり重く、落としたら大変だからです。このため工場内での作業は一瞬も気を抜けず、みなの表情は真剣そのもの。ピーンとした空気が張りつめます。
(飛行機工場のように見えなくもない)
すべてのパーツをトラックの荷台に積み込めば、ひとまず準備は完了。でも、まだ安心はできません。会場までの運転が控えています。ちなみに私たち日都産業の社員は、新人研修として安全運転講習も行っています。
(なかなか見られない遊具のお引越し)
「うんしょ、うんしょ」とつくるのです
無事に、さくらまつりの会場に到着。私たちのトラックの荷台を、日野自動車さんの2トントラックの後部に直接くっつけ、ここからトラックスライダーの組み立てを開始します。いつもと違う作業、というより‶年に1度のおまつり〟のため、どこか楽しそうに働いています。
(どことなく学園祭のノリでやっています)
すべり台って、遊んでいるときはなかなか気づかないものですが、こうして横付けにしたトラック2台と比べてみると、けっこうな大きさであることを実感します。
さらに作業を続け、工場を出てから完成するまでおよそ2時間。ようやくトラックスライダーは完成するわけです。これだけの作業をたった2時間でこなすなんて、さすがNittoの職人たちです。
ところで、せっかくのコラボ遊具。せっかくのおまつり。ということで、ディテールにもこだわっています。例えば、すべり台の乗り場に到達するには、子どもの好奇心や体力に合わせて「葉っぱラダー」「ロッククライム ひょう」という2通りのアプローチを設けています。
(ちょっとスリリングな「葉っぱラダー」)
(カワイイけど意外と難しい「ロッククライム ひょう」)
子どもたちは、最初は不思議なカタチのトラックスライダーに驚き、喜び、そのうち「どっちから登ろうか・・・」と、いつになく真剣に悩みます。きっと、非日常の体験にワクワクしているのでしょうね。
「トラックスライダーで全国を回ったら面白いかも・・・」
さくらまつりが無事に終わって遊具を撤収していると、突然そんな営業のアイデアが浮かんだり。そもそもトラックスライダーは、社員のひょんな思いつきから始まった企画――。
来年も、その次も、トラックスライダーで子どもたちに喜んでほしいと考えています。
(滑り落ちていく小さな女の子)
ところで、すべり台のなかって、ちょっと神秘的とは思いませんか?
淡い光、ムッとした空気、不思議な臭い、そして一人きりの時間――。
子どもたちは滑りながら、何を考えているのでしょうね。
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