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砂場でバババ

2019年07月02日こうえんのはなし
  

公園のなかには、ハッキリした目的はないのに人気を集める遊具があります。「砂場」もその1つでしょう。砂を集めて囲いでくくった「広場」は、砂以外に何もないと言えば何もないのに、どういうわけか夢中になってしまいます。特に乳幼児は、砂場遊びが大好きです。

砂を使ってお城をつくったり、山をつくってトンネルを掘ったりと、子どもは思い思いに「作品」を仕上げます。普段はゲームばかりなのに、砂場に入った途端いろんな作品をつくりはじめ、子どものクリエイティビティに改めて驚く保護者も少なくありません。

地中深くまで手で掘る。両腕いっぱいに砂を抱える。バケツに水を汲んできて砂を固める――。力作ともなると、一日中砂場で格闘することもあり、体力のみならず根気も要します。

そのほか指で絵を描いたり、友達とお喋りしたり、「砂を集めて囲っただけの広場」には不思議と子どもが集まってきます。

子どもを引き寄せる「砂場の磁力」

「子どもが何か面白いものを生み出す時というのは、実はひとりではないのです。(中略)もし休日に公園の砂場に通りかかったら、ぜひ彼ら彼女らの『ものづくり』を少し観察してみてください。学ばされる点が非常に多いものです」
(出典:「人事よ、すすめ!」碩学舎)

砂場が子どもたちのクリエイティビティを育てることは、よく知られた話。興味深いのは、「実はひとりではない」という部分です。言い換えれば、砂場のクリエイティビティの背景には、「人が集まり」「コミュニケーションを取り」「何かを成す」という3つの要素が含まれていることです。

この場合の「人」とは、友だちだけでなく見ず知らずの子どもも含むでしょう。砂場では、自然と子ども同士が触れ合います。

「コミュニケーション」とは、言葉とは限りません。まだ話せない子どもは、身ぶりや視線で心の内を表現しようと試み、年長の子どもはそれを理解しようと努めます。

「何かを成す」とは、一切のプランもルールもない、まさしく「何か不明のこと」であり、子どもたちは、その場の思いつきや感覚で決まった「何か」に対して、共同で取り組みます。

何もない場に、何かがある――。
近年は砂場を敬遠する風潮もありますが、じつは砂場って、かなり奥が深いのかもしれませんね。

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