昨年に引き続き、西バルカン諸国からの視察団が、私たち日都産業の羽村工場を訪れました。「セルビア」「ボスニア・ヘルツェゴビナ」「モンテネグロ」「マケドニア」の4カ国です。日本にはあまり馴染みのない国々ですが、視察の目的は「日本の中小企業の改善ノウハウを学ぶ」こと。
西バルカン諸国は、紛争や政情不安から経済発展が遅れており、メンター(経営相談員)を育て、中小企業を支援するシステムをつくっている最中です。そこで私たち日都産業もお役に立ちたいと思い、視察団の受け入れを行っています。
(羽村工場を視察する西バルカン諸国の視察団)
世界の言葉となった「カイゼン」
トヨタの生産方式として世界に広まった「カイゼン」。トヨタのみならず、日本の製造業の多くは昔から改善活動に熱心であり、それが生産性や安全性を高めてきた歴史があります。カイゼンは、日本のモノづくりの原点とも言える活動です。
私たち日都産業も様々なカイゼンを行っています。例えば、工場内のレイアウト変更もその1つ。以前は「歩行距離が長い」「隣り合う課の仕事が分断されている」「情報が行き届きにくい」といった課題がありました。試行錯誤を重ねてレイアウトを見直すことで、社員は動きやすくなり、さらには生産性もアップしました。
(セルビア語で作成した「紹介冊子」)
遊具メーカーでは、資材を加工したり、溶接したり、パーツを組み立てたり、検査をしたりと、製品が完成するまでに多くの工程を要します。しかも製品の種類はぶらんこ、すべり台、シーソーなど数百にも上ります。つまり、生産現場には常時いろんな状態の製品が同時並行的に存在することに。
そこで重要なのが「時間の管理」。製品の工程の進捗だけでなく、材料の納入や図面の完成といったことまで「可視化」し、誰もが一目で理解しやすいシステムをつくりました。というのも、「探す」「移動する」にも少なからずの時間は発生し、それらも‶コスト〟と考えるためです。
(コストを減らすための「時間の管理」)
工場には資材、部品、工具など様々なモノが無数にあります。それらを分かりやすく効率的に配置する「モノの管理」も重要なカイゼンですし、また、社員の能力向上のための資格取得や安全教育といった「ヒトの管理」もカイゼンにあたります。
どこかの国の役に立つという、不思議な感覚
「本当に熱心に勉強している」
いつも感心させられるのは、西バルカン諸国の視察団の真剣な眼差しです。私たちの説明に熱心に耳を傾け、分からないことがあれば必ず質問し、何が何でも「日本のモノづくりを吸収しよう」という情熱が伝わってきます。
なぜなら、彼らはメンター(経営相談員)。母国に戻ったら、学んだ知識をもとに企業へのアドバイスを行うからです。
私たちは、日本の公園や小学校のために「遊具をつくる」のが基本です。80年前からひたすらに遊具をつくり、よりよい製品を目指してカイゼンを行ってきました。まさか、その過程で蓄えた技術や経験が、海を越えて遠くの国に渡り、やがてどこかの企業の役に立つとは――。
そんな風に考えると、ちょっと不思議な気分になります。
(世界へ羽ばたく「Nittoのカイゼン」)
私たち日都産業は、工場の改善活動や安全教育に熱心に取り組んでいます。お気軽に下記よりお問い合わせください。
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