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ここまでやるの?! 徹底した「検査の裏側」

2019年08月02日注目の納入事例
  

普段、みなさんが何気なく利用している公園。そこには当たり前のように遊具が設置されていますが、「ところで、遊具はどのように設置されるのだろう」と、考えたことはあるでしょうか。

遊具は、大勢の子どもが繰り返し遊ぶモノであり、高い安全性が求められます。また24時間365日、太陽の光を浴び雨風に晒され続けるため、並外れた耐久性も必要。このため、公園に設置される前に膨大かつ緻密な検査を受けることになります。

「遊具って、そんなに多くの検査があるの?」
子どもだけでなく、保護者や学校の先生、さらには公園の近くに暮らす住民ですら知らないこと。検査の風景をちょっと覗いてみれば、みなさん間違いなく目を丸くすることでしょう。今回はいつもと趣向を変え、「遊具が出荷されるまで」という事例です。

優先すべきは「子どものニーズ」

ご紹介するのは、茨城県水戸市にある「元吉田児童公園」。家族連れからシニアまで幅広い利用者を集める、住宅街のなかにある公園です。既存の遊具を改修するという事例であり、5社コンペから私たち日都産業の案が採用されました。

決め手は、「現在の良さを引き継ぐ提案」だったのではないかと思います。というのも、既存の遊具はぶらんこがついており、これが子どもたちの人気を集めていました。ところが、改修の際は遊具の規準上、ぶらんこ一体型には制限がありました。

そこで、あえてぶらんこを複合遊具のそばに別に設置し‶新たな子どものニーズを促す〟という発想に転換しました。どんなケースであれ、やはり遊びの主役は子ども。

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(いろんな遊びを楽しめる人気の遊具「トロピカルランド」)

さて、今回の事例で特筆すべきは、自治体に提出すべき書類がいつも以上に細かく膨大だったこと。とりわけいろんな遊びを楽しめるコンビネーション遊具は、1か所にすべり台あり階段あり雲梯ありと、構造が複雑なだけに書類も多岐に渡ります。

徹底して行う「遊具の計測」

遊具を公園に設置するうえでまず必要なのは、それぞれの「遊具の計測」。すべてが規準通りのサイズである必要があります。トロピカルランドの場合、11個の遊具で構成されており、このほか踊り場や装飾もあるため、必然的に計測すべき作業も格段に増えます。

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(計測中の「ダブルスライダー」)

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(計測中の「ポップロック」)

今回の事例では、コンビネーション遊具のそばに併せてぶらんこも設置しました。ちなみに、ぶらんこ1つとっても「梁」「柱」といったメインの骨格部分から、子どもが座る「吊席」、さらには周囲に張り巡らせる「柵」に至るまで多くのパーツがあります。これらは各パーツごとに計測します。

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(計測中の「ぶらんこの梁」)

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(計測中の「ぶらんこの柵」)

「柵まで1本1本丁寧に計るの!?」
遊具に近道なし――。こうした地道な検査があってこその遊具なのです。

ここまで記録する「作業の工程」

部品や材料すべてを計測したら終わり、とはいきません。提出すべき書類はまだまだあります。遊具ができるまでの「工程」もその1つであり、計測と同じく各工程を細かく記すことになります。

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(トロピカルランドの支柱の「溶接」)

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(全体を確認する「仮組検査」)

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(ネットを取り付ける「ネットスロープ」)

特に2つ目の「仮組検査」に関しては、意外に思う方も多いのではないでしょうか。遊具は、大きな完成品を工場から出荷するのでなく、小さなパーツあるいは部品ごとに運び出し、公園に着いてから現地で組み立てるのが一般的です。そのため「正しく組み合わさるか」「各所に問題はないか」など、工場内でいったん組み立て全体像をチェックします。

職人技が光る「部品の塗装」

次に続くのは「塗装」。材料を切り出した各パーツに対して、それぞれに色を付けていく作業です。こちらも1つ1つ作業内容をボードに掲げ、写真に記録していきます。

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(まずは「下処理」)

塗装する前にしっかり拭き掃除をして、汚れを落とします。

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(次は「下塗り」)

赤や青など完成した際の色がキレイに出るよう、下地として白系の塗料を塗ります。


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(ようやく「上塗り」)

みなさんが実際に目にすることになる色の塗料を塗ります。しかし、まだ完成ではありません。「塗料は定められた通りの厚みがあるか」――。膜厚計という器具で測定します。

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(膜厚計で測定する「膜厚検査」)

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(すべてのパーツで実施する「膜厚検査」)

遊具のサイズや作業工程にとどまらず、塗装の各工程から塗料の厚みまで――。遊具づくりにはじつに多くの工程があり、そして検査があるのですね。改めて驚かされます。

現在では珍しくないのですが、国際的な品質マネジメントシステム「ISO 9001」を遊具業界で最初に取得したのが、じつは私たち日都産業。ISOの厳格な手順に従って、開発から製造・検査まで行っています。

普段、何気なく利用している公園。
当たり前のように設置されている遊具。
その裏側では、日々このような検査が行われているのです。


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