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未来の公園づくりを担う人々

2019年08月23日工場見学
  

私たち日都産業の工場には、日頃から様々な見学者が訪れます。例えば、羽村市の小学校では社会科見学として取り入れられています。あるいは日本のモノづくりを学ぶため、海外から視察団が訪れることもあります。遊具の魅力、ひいては会社のことを知ってもらうよい機会です。

そんななか、先日はとある設計事務所の方々が工場見学にいらっしゃいました。私たち遊具メーカーにとっては、一緒に公園をつくりあげるビジネスパートナーであると同時に、製品図面の採用を検討してもらうお客様でもあります。

どうすれば、より魅力的な公園になるのか――。
私たちはモノづくりという‶メーカーの立場〟から、工場の製造現場を見てもらったり、製品開発の裏側をお話したりします。

部品へのこだわり

設計事務所にとって大切なのは、やはり‶遊具全般に対する信用〟ではないでしょうか。「安全に動く」「壊れにくい」「メンテナンスしやすい」といった点は、遊具の購入を検討するうえで重要な判断基準となるからです。

遊具の部品までしっかり見てもらう――。
私たち日都産業は、自信を持ってすべてを見てもらいます。

例えば、ぶらんこのロックチェーン(吊材)。驚かれることも多いのですが、部品の1つひとつに「Nittoのマーク」が入っています。Nitto専用という証拠であり、また、頑丈&高品質を意味するメッセージでもあります。老舗メーカーとしての誇りと責任があるからこそ、部品1つひとつにまでマークを刻印しています。

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(ぶらんこのロックチェーンを説明)

ロックチェーンはプレス機で1本ずつ繋げています。その際、材料に尖りが出てしまうため、必ず後からヤスリをかけて尖りをなくします。また、ロックチェーンはロット毎に引張試験を行い、「所定の強度が確保されているか」を確認します。何気ないチェーン1本にもかなりの手間をかけています。

こちらも同じくぶらんこの部品で、「吊席」と呼ぶシートです。ただ、現在のタイプでなく20年以上前の旧型です。芯材にはヒノキを使用しており、クッション性は良くありませんでした。

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(ぶらんこの吊席の素材を説明)

一方、説明者の背後に積んである赤いシートが現在のタイプです。硬そうに見えてじつは子どもがぶつかってもケガをしないよう、縁がグニャリと曲がります。素材もかなり進化しているのです。

ちなみに、旧型の吊席にもNittoのマークは入っています。
「あ、知ってる! ニットさんのマークとは気づかなかったけど、確かに見た覚えがあります!」
といった驚きの意見が圧倒的です。子どもの頃はいちいち吊席まで確認しませんよね。それに、ぶらんこで遊んでいると常にマークはお尻の下に隠れてしまうので、気づかないのも当然。

「お尻の下から、いつもみんなの安全を見守っているよ」
Nittoのマークには、私たちのそんなメッセージが込められています。

ビジネスパートナーとしての役割

工場見学で大切なのは、相手のニーズや疑問に答えることです。小学生なら「社会で働くこと」だったり、海外からの視察団なら「合理的な工場運営」だったり。では、設計事務所の場合はどうでしょう。

「メーカーならではの立体的モノづくりの説明」――。これもポイントの1つと考えています。というのも、「より良い公園づくり」という同じ目標を共有しながら、設計事務所と遊具メーカーでは、仕事の進め方や発想などは異なるためです。

お互いの仕事の特性を理解したうえで、日頃から有意義なコミュニケーションを取るのは、ビジネスパートナーとして重要なこと。設計事務所の方々を招いての工場見学は、言い換えれば‶遊具にまつわる異業種交流〟と考えています。

このため、設計事務所の方々が普段見られないような場面や現場を、なるべくお見せするように努めています。例えば、こちらは検査前後のパーツです。

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(検査前後のパーツの説明)

遊具にはこのように多くのパーツが必要なわけですが、丁寧に1つひとつ検査します。説明者の前にある3つのパーツは、回転する丸いジャングルジムとして有名な「グローブジャングル」のもの。工場から完成品を出荷するのでなく、公園にパーツを運び、その場で球体に組み立てます。

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(遊具の仮組検査を行う広々としたスペース)

時おり工場見学の参加者から「なぜこんなに広いのですか?」という質問を受けます。じつは‶広く見える〟のにはワケがあります。「現場改善」と言って、働きやすい工場にするため常に工夫を凝らしているからです。

余談になりますが、天井が高いのは「2回転すべり台」「ロケットタワー」など、高さのある受注製作品があったためです。工場が西荻窪にあった時代、ロケットタワーは屋根がない作業場所で組み立て、付属の回転すべり面を制作していました。2回転すべり台も同じで、‶立てた状態の柱〟を使って制作する必要があり、天井が高くなったという経緯があります。

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(迫力ある昔の「2回転すべり台」)

工場見学で伝えたい2つのこと

より良い製品づくりは、より良い職場環境から――。これはNittoのモットーです。
整頓された工場と、ルールを順守する社員。この2つが揃って初めて、安定的に高品質な遊具を出荷できるわけです。

例えば、「部品を注文する」といった小さな行動にも気を配っており、ボルトの注文はカードを使ったシステムで運営するなど、様々な工夫を凝らしています。

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(ボルト、ナット棚の前にて)

普段はなかなか‶見えない部分〟ですが、こうしたことを実際に感じていただくことも、工場見学ならではの意義と考えています。


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