ぶらんこやすべり台などの遊具がある。いつも植栽が整えられている。住民の憩いの場になっている――。常にキレイに保たれているのが「日本の公園」の特徴であり、実際にそうした公園が一般的なため、「常にキレイな公園」が当たり前のように思われています。
しかし、そうではない公園もあります。原因は、自治体の予算が足りなかったり、公園に対する関心が薄かったり、住民が公園に愛着を感じていなかったり、いろいろな事情があるのでしょう。
公園は、日々きちんと整備されてこそキレイな姿を保てるのであって、残念ながらそれを怠れば‶公園が老いていく〟ことは避けられません。
予算が限られるなか、人口が減り住民の高齢化が進行した現在を考えると、ある意味ではやむを得ないことなのかもしれません。
5年後の公園の復活劇を目指して
先日、とある地方の公園を訪れました。階段の塗装は所々はがれ、植栽は荒れており、柵にはサビが目立ち、整備が行き届いていないのは明白。利用者はまばらで、秋の好天に恵まれているのに、園内にはどこか閑散とした雰囲気が漂っています。
ところが、です。
そんな雰囲気とはまるで正反対の、じつに生き生きとした声が響きます。
「ここ、スゴイでしょ? 自然はめちゃくちゃキレイだし、園内にはバーベキュー設備も揃ってるし、近くの湖では釣りやカヤックも楽しめるんです。秋から冬場にかけては特に静か、星空も見事で、キャンプするには最高に贅沢な場所なんです。絶対に、この公園に人を集めてみせますよ」
まるで子どものような笑顔と、自信に満ちた声で夢を語るのは、この公園の新しい管理者。本業は会社の経営者ですが、老いていく公園を甦らせるべく立ち上がったのです。さらにお話を伺うと、単に公園を復活させるだけでない‶公園への想い〟がありました。
地域への愛情。家族の絆。社会への恩返し。町おこし。文化の育成。新たな娯楽の創出――。溢れる情熱と豊かな構想があり、それらすべてを公園という文化施設で体現しようとしているわけです。
近頃では‶個人の想いをみんなでカタチに叶える〟クラウドファンディングが流行していますが、もしかすると、これからは公園でもそうした新スタイルが生まれるのかもしれません。その発端の1つが、この公園の復活劇にあるような気がします。この取り組みに賛同した人々が、やがて声を上げ知恵を集め、みるみる再生へと向かう未来が想像できます。
(静謐のなかに佇む秋の湖)
公園の周囲には、ピリッと澄んだ空気と、絵画のような景色が広がっています。
まだ始まったばかりの「公園リニューアル」という新たな挑戦。
どうにも気になる‶物語〟になりそうです。
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