「近くに公園があって本当に助かったよ。だって、街中は若い人が自転車でビュンビュン走ってるから、やっぱり怖いでしょ? それに都会の歩道は狭いし段差もあるしで、ちっとも老人に優しくないのよ。それでね、この歳になってようやく実感したの。公園って安心して歩ける『最高のリハビリ場所』なんだってね」
とあるシニア女性(80歳)のお話です。仮に「サクラさん」としましょう。じつは彼女、病気で3ヶ月ほど入院しており、最近になってようやく外を歩けるまでに回復しました。3ヶ月ぶりの‶外の世界〟に大喜びしたのも束の間、あまりに街中に危険が溢れていることに驚いたそうです。
というのも、サクラさんはリハビリの真っ最中。外出できるようになったとはいえ、病院の方に付き添ってもらいながらのよちよち歩きの状態です。筋肉が衰えてバランスがうまく取れず、歩幅もすっかり小さくなり、何より普通のスピードでは歩けません。
人も車も忙しく流れるなか、サクラさん独りがまるで「スローモーションの世界」に取り残されたようなもの。彼女は口にこそ出しませんが、遠くを見つめながら語る瞳は、やはりどこか寂しそうに見えます。
入院前のサクラさんは80歳とは思えぬ健脚ぶりで、毎朝、街中を元気にウォーキングしていました。坂道はグイグイと一気に上り、段差も余裕でクリアーし、平気で1時間ほど歩いていました。もちろん自転車や歩道のことなど気にしませんでした。そんな生活が入院によって一変したのです。
幸い、病院の近くには公園がありました。
サクラさんは再びウォーキングできる暮らしを目指し、日々公園でリハビリに励んでいます。
公園はリハビリ場
公園には、ベンチがあります。リハビリに疲れたら快適に休めますよね。
公園には、車が走っていません。安心してリハビリに専念できますよね。
公園には、緑が溢れています。リハビリ中でも癒されますよね。
さらに言えば、公園にはいろんな遊具があります。
「遊具って、遊ぶだけじゃないんだね。すべり台なんかで遊んでいる子どもを見るだけで、不思議とこっちも元気が沸いてくるのよね。退院してもしばらくは、公園でゆっくり歩くことから始めるわ」
そう言えば、どこの公園でもゆっくりマイペースで、一歩一歩を確かめるように歩くシニアをよく見かけます。もしかすると、退院したばかりだったり長いリハビリの最中だったり、身近な公園を「安全なリハビリ場」として利用しているのかもしれません。
高齢化社会を迎えた日本には、きっといろんなサクラさんがいるのでしょうね。
少しでも公園が、そんなみなさんのお役に立つよう願っています。
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