全力で走る。全力で跳ぶ。全力で登る――。自然界に暮らす生き物は生存競争のため、あるいは本能的に「全力を出す」ことが求められます。全力で逃げないと敵に襲われてしまいますし、全力で跳ばないとエサを取れないからです。
かつては、自然界に生きる人間もまた「全力を出す」ことは必要不可欠でした。マンモスから逃げたり、高い木をよじ登って果物を取ったり。ところが文明を手にした結果、敵はいなくなり食事にもありつける暮らしとなり、いつしか全力を出さずに済むようになりました。
「最近、数十年ぶりに100メートル走に挑戦したんだけど、なぜか全然うまく走れなくて」
とある40代男性の話です。若い頃は運動が得意で、学校ではいつもリレー選手に選ばれていたほど。今でも定期的に運動しているそうです。ところが、100メートル走に限って言えば全然ダメ。不思議なことに、走り方そのものをすっかり忘れてしまったとか。
筋力の衰え、身体の歪み、柔軟性の欠落――。理由はいろいろあるでしょうが、最大の理由は「全力を出さない」ことに脳や身体、さらには小さな感覚器官までが慣れてしまったからではないでしょうか。100メートル走とは、言うなれば全力と全神経を必要とする運動。これをきっかけに、男性は「たまに全力で走る」ようにしたところ、徐々に走り方を思い出したそうです。
たまには全力を出す――。
じつは、子どもにも同じことが言えるのではないでしょうか。
校庭が狭くて思いっきり遊べない。身近に大きな広場や公園がない。塾や習い事に忙しい。ゲームやSNSなどデジタルに夢中――。もとより現代の子どもは、全力で遊べる環境に恵まれていないようです。
だから、Nittoはこんな提案をします。
「たまには全力で遊ぼうよ!」
そんな子どもを応援する遊具をつくっています。
木々を渡って空を飛ぶ――「ムササビコンビ」
子どもなら誰しも一度は夢見ること。それは「自由に空を飛べたらなあ」という空想ではないでしょうか。なぜ鳥は空を飛べるのだろう。重さがあるのになぜ落ちないのだろう。そんな疑問と同時に、人間が飛べない理由も知っています。重すぎるし、羽もありません。
だからでしょうか、ロープについた滑車で滑空したり、ターザンのように遊べるアスレチックだったり、昔から空飛ぶ体験が味わえる遊びが人気です。でも、ただ飛ぶだけでは物足りないですよね? 登ったり、渡ったり、伸びたりと、もう少し動きがあった方が面白いもの。
「ムササビの動きを再現してみてはどうだろう?」
人間と同じ哺乳類だから、もちろん羽はありません。ただし、手と足の間にある膜をビヨーンと伸ばして、木から木へ飛び移ることはできます。鳥ほど自由なわけではありませんが、そのぶん‶束の間の滑空〟はきっと気持ちいいに違いありません。
そんな発想から、ムササビをモチーフに遊具を開発してみました。
(束の間の滑空が気持ちいい「ムササビコンビ」)
右の赤いポール「ななめスライドポール」からムササビ体験はスタート! クモの巣のようなロープ「クモの巣ネット」をフワフワと揺れながら渡り、森を横断する気分で「木登りジャングル」を超えたら、ヒョイと隣のデッキに舞い降りて、ようやく空飛ぶスタンバイの完了。最後は「ムササビロープウェー」で軽やかに、サーっと空を飛んでフィニッシュ!
「1回でも地面に足を付いたら負けね!」
「本気を出してスピード勝負しよう!」
コンパクトでありながら「全力で登る」「全力で渡る」「全力で跳ぶ」ことを実現した、子どもの本能と本気に訴えかけるつくりとなっています。実際に設置された事例を見てみましょう。
(ムササビ感あふれる緑の公園)
遊具のサイズは全長約16メートル。ムササビ体験が楽しめるロープウェーは10メートル。ちなみにコンビネーション遊具なので、複雑なアイテムを追加したり、さらにロープを長くしたりと、組み合わせもデザインもお客さまのニーズ次第。
例えば、もっと「ムササビ感」を演出したい場合――。ちょっと離れた場所、例えば森のなかにもう1つのロープウェーを設置するなんて、かなり面白いかもしれませんね。
「次のムササビまで猛ダッシュしよう!」
1つのロープウェーを終えた瞬間、次のロープウェーを目指して全力ダッシュ! その間に森を模したかわいいアイテムを配置すれば、まさしく‶木から木へ飛び移るムササビ〟の再現。どの子どもも全力で遊ぶのはもちろん、アスレチック性やストーリー性もグッと増すので、きっと公園のシンボル遊具になるでしょうね。
「たまには全力で遊びたい!」
そんな子どもを、Nittoは応援しています。
(ムササビコンビのパース)
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