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遊具デザイナーになる方法

2020年09月24日開発ストーリー
  

先日、Nittoの遊具デザイナーがテレビで紹介されたところ、小学6年生の女の子からこんなお問い合わせをいただきました。
「遊具デザイナーになるには、どうすればよいのですか?」

紹介されたデザイナーが女性であったこと。そして、楽しそうな仕事ぶりが女の子の興味を引いたようです。小学6年生といえば、なかには中学受験に挑む子どもがいるなど、そろそろ‶未来の職業〟について目覚める年頃でもあるのでしょうね。

現在Nittoには4名のデザイナーがいます。内訳は男性2名、女性2名です。遊具デザイナーになった経緯はいろいろですが、今回はお問い合わせいただいた女性のケースを中心にご紹介します。

Q:「遊具デザイナーになるにはどうしたらいいのですか?」

A:「いろんな道があります。美術やデザイン系、あるいは工業系や建築系の学校を卒業している人が多いです」

じつは、世の中には「遊具づくり」に関する教科書がなければ、参考書もありません。自動車には整備を学ぶ専門学校がありますし、アパレルもデザインを学ぶ学校があります。ところが、遊具にはそういったものがありません。学問や体系としての遊具づくりがないため、みな働きながら「遊具のプロ」を目指します。

正解がないということは、同じ遊具をつくるにしてもいろんなデザインが生まれます。つまり、自由な発想が求められます。難しいけど、奥が深くて面白い――これが遊具デザイナーの醍醐味ではないでしょうか。

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(女性デザイナーによる制作途中のパース)

ちなみに、今回の女性デザイナーの場合をご紹介しますと、芸術コースがある高校から日本大学芸術学部デザイン学科の「製品デザインコース」に進みました。「モノの形や機能を考えるだけでなく、どこが面白いのかを説明するプレゼンの技術も学べる」というのが、学校の特徴です。


Q:「遊具デザイナーにはどんな人が向いていますか?」

A:「モノづくりが好きな人はもちろん、遊具だけにとどまらず公園全体や街全体など、人の暮らしや環境を考えることが好きな人も向いていると思います」

遊具の多くは公園にあり、そして公園は街のなかにあります。公園にはベンチで休憩する人、運動のため訪れる人、園庭がわりに遊びにくる保育園のグループなど、いろんな人がやってきます。つまり、遊具は子どもが遊ぶ「道具」であると同時に、日々住民が目にする「景観」という側面もあります。

この遊具は街に馴染むだろうか。住民が喜んでくれるだろうか。環境に優しいだろうか――。遊びという単一の観点のみならず、社会性や時代性など様々な要素を考慮しつつデザインを考えます。

また、遊具に関わる人は大勢います。遊具で遊ぶ「子ども」はもちろんですが、それを見守る「保護者」だったり、公園の近くに暮らす「住民」だったり。さらには、遊具が壊れたときに「修理する人」もいます。そうした人々の気持ちまで‶想像できる人〟は、より遊具デザイナーに向いているかもしれません。


Q:「1年間で何件くらいの依頼がありますか?」

A:「デザイナー1人あたり20~50件くらいです」

1ヶ月で考えてみましょう。少ない月は1.6件ほど、多い月は4件を超えるデザインを同時に進めている計算になります。多い月はかなり忙しそうなイメージですよね。

ただし、少ない月も決して暇というワケではありません。なぜなら、デザインする遊具の種類が異なるからです。例えば、1件で大きな遊具をデザインする場合。まずは遊具全体のコンセプトを決め、それから1つひとつのアイテムを考えたり、配置を工夫したり、ディテールにこだわったり、考えるべきことはいっぱいあります。

また、デザイナーによって個性や得意分野は異なります。当然ながら、誰が担当するかによって遊具のデザインも大きく変わります。
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(デザイナーA氏作成のパース)


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(デザイナーB氏作成のパース)


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(デザイナーC氏作成のパース)

どれも夢があふれるデザインばかり。もうパースを眺めるだけで「これで遊んでみたい!」と、思わずワクワクしてきますね。遊具デザイナーに最も必要なことは、もしかするとこの‶ワクワク感〟かもしれません。大人になっても遊び心を忘れないから、ユニークな遊びを作り出し、またデザインもできるわけです。

今回は1人のデザイナーを参考に「遊具デザイナーになる道」をご紹介しましたが、もちろん他にもいろんな道があります。大人になるにつれ可能性は増え、多くの仕事に興味を持ち、やがて自分なりの夢が見つかることでしょう。いつかNittoで遊具デザイナーとして出会えたら、ちょっぴり嬉しいですね。

後日、女の子から返信をいただきました。
「メールを読んでもっと興味を持ちました。思ったよりもデザインする数が多くて驚きました。公園に行ったら誰がデザインしたのかなと、想像するのが楽しみです」

コロナ騒ぎで大変な状況ですが、勉強も遊びも大切に、元気で過ごしてくださいね!

Nittoデザイナー一同より


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