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名作はバブル時代に生まれる?

2020年10月09日開発ストーリー
  

往年の名車――という言葉をよく聞きますよね。個性的なフォルムや凝ったディテールなど、今の時代にない個性的なデザインに惹かれる人は少なくありません。なにも高価なクラシックカーに限った話ではなく、例えば平成初期のクルマなどちょっと古いだけでも、個性的なデザインは街中で目立つものです。

「昔のデザインって良かったよね」
工業製品にはトレンドがあり、消費者はトレンドに敏感です。みんなが欲しいモノが世の中に増えてくれば、その反動から昔のモノはどんどん消えていき、いつのまにかトレンドは変わります。なくなったモノが素敵に見えるのは、希少だったり懐かしかったり、消費者心理の影響も大きいのでしょう。

近年はSNSが発達して昔のモノに関する写真や情報があふれたことで、いろんな‶往年のモノ〟が静かなブームとなっているようです。

昭和時代のラジカセは「レトロ感があってカッコイイ」からと、セレクトショップのビームスで展覧会が開かれたり、昭和時代のバイクの価格が密かに高騰していたり。ファッションを見れば、母親が昔愛用したアイテムをコーディネートに取り入れる若者も増えています。

多くの消費者が惹かれる昔のモノたち――その源流をたどっていくと、どうやら1つのトレンドが見えてきます。キーワードは「バブル時代」。クルマにしてもファッションにしてもカルチャーにしても、経済が元気で消費者心理が華やかな時代は、やはりメーカーもチャレンジングになるものです。

つくった社員も驚くド派手なモノ、消費者が思わず唖然とする奇抜なモノ、後世まで語り継がれる前衛的なモノなど、バブル時代には数多くの個性的な製品が誕生しました。

Nittoでも、バブル時代にはユニークな製品をいろいろつくっています。例えば、ニーズを一人用に限定した贅沢なベンチもその1つ。

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(仲良く並んだ「ひとりベンチ」)

名前は左から「バッカス」と「フローラ」。響きの良い名前といい、ほどよい距離感といい、あえて異なるデザインといい、何だかカップルみたいで素敵ですよね。夫婦が静かに佇んで読書に没頭しながら、ときおり穏やかに会話を楽しんだりお昼寝をしたり、そんな休日の光景が浮かんできます。

多忙なバブル時代だからこそ、休日くらいは公園で心を静めて過ごしてほしい――そんな想いがあったのでしょう。その証拠に、企画段階では「ひとりベンチ」でなく‶瞑想ベンチ〟と呼ばれていたとか。今振り返っても前衛的な製品です。

時代によって、そして消費者ニーズに合わせてつくるモノやデザインが変わってくるのは、遊具メーカーも同じこと。当時の開発陣も今の開発陣も、モノづくりのために日々奮闘しているわけです。

「トレンドは一定の周期で繰り返す」と言われますが、再びバッカスとフローラの時代が訪れるかもしれません。このベンチなら自然とソーシャルディスタンスを保てますから。もっとも現在から未来のトレンドを考えるなら「瞑想ベンチ」と呼ぶべきでしょうね。


個性的なベンチを多数つくっています。お問い合わせはこちら
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