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ついにスタート! Nittoのリモート工場見学

2020年10月20日工場見学
  

Nittoでは以前より工場見学を実施しています。遊具メーカーとしては珍しく都内に工場があることも手伝い、近隣の小学校を中心に毎年多くの子どもたちが訪れてくれます。

「遊具のつくりかたを初めて知った!」
「すぐそばで見られて超面白い!」
じつはNittoの工場見学、子どもの間では知る人ぞ知る人気の工場見学なのです。そこには2つの理由があるようです。

1つは、公園の遊具は身近な製品でありながら「どのように作られているのか」といった製造現場や裏側はあまり知られていません。このため発見と驚きがたくさんあって楽しいようなのです。もう1つは、そもそも「遊具の工場見学は珍しい」という希少性にあります。

さて、例年ならそろそろ工場見学のシーズンなのですが、今年はあいにくのコロナ禍。そこで対策を取ったうえで開催しています。また先月からは、新たな試みとして「リモート工場見学」も始めました。オンラインで工場と小学校をつなぎ、Nitto社員がスマホ片手に製造現場を巡りながら仕事を紹介するスタイルです。

時間配分や音声などで苦労はあったものの、「作業する手元のアップをしっかり見てもらえた」「最後に行う質問コーナーが盛り上がった」など、リモートならではの成果もありました。さらには何よりの気づきも。

「リモートなら、これまでNittoの工場に来たくても来られなかった子どもまで参加できる!」
創業80年を超えたNittoの遊具は、北海道から沖縄まで日本中に設置されています。言ってみれば、全国の子どもはNittoのお客さん。リモート工場見学なら、みんなに会えることに気づいたわけです。

「うちの小学校もさっそくお願いしてみようかな?」
そんな方々のために、今回は「Nittoのリモート工場見学」の流れをご紹介しようと思います。

遊具が生まれる物語

今回、初のリモート工場見学にご参加いただいたのは「横浜市立日枝小学校3年生」のみなさん。総勢120名の元気な子どもたちです。開催したのは9月初旬、所要時間は1時間15分です。

工場見学のコンセプトは「遊具が生まれる物語」。新たな遊具をつくるとき、Nitto社員はどんなことを考えて、何をするのか――。ゼロから製品をつくりあげていくプロセスを、子どもの目線に立った分かりやすいプログラムで構成しています。

具体的には、遊具の完成イメージを絵に起こす「デザイン」に始まり、実際に鉄パイプなどの材料を加工する「製造」、さらには公園に出荷する前にチェックする「仮組検査」といった具合に、遊具づくりの各プロセスを臨場感たっぷりにご紹介します。

どれもが魅力あふれるプロセスですが、そのなかから一部を抜粋してダイジェストでご紹介します。

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(デザインの紹介画面)

遊具づくりは、どんな製品をつくるかをイラストで表現する「デザイン」という作業から始まります。写真左上に見える電車のイラストがそれにあたり、「パース」と呼びます。このパースをもとに生まれた実際の製品が、その下にある写真です。

ちなみにパースは、Nitto専属の遊具デザイナーが主にパソコンをつかって描きます。右上に小さく映っているのがそのデザイナーであり、社員が自ら仕事の魅力や面白さを伝えるのがNittoの工場見学の特徴です。

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(設計の紹介画面)

パースは「こんな風にできたら良いな」という理想の姿です。しかし、実際の遊具はそれだけでは完成しません。例えば、子どもの書いたロケットのイラスト通りにつくっても、宇宙までは飛んでいきませんよね?それと同じことで、「子どもが乗っても大丈夫かな?」「きちんと動くかな?」など、正確な仕組みをつくる必要があります。それが「設計」という業務です。

上の写真のようにパソコン上で動きを再現したり、ときには紙で小さな模型をつくったりして確認します。最終的には、住宅建築と同じように精緻な「設計図」をつくることになります。このプロセスもやはり、右上の小さなウインドウに映るNittoの設計担当者が説明します。

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(購買の紹介画面)

デザインがきまって設計図が完成すると、いよいよ遊具づくりに必要な材料を揃えます。それは「購買」という業務にあたります。写真の下にあるように、普段は見ることのできない様々な材料を見ることができます。購買を担う社員が1つひとつ丁寧に説明すると、子どもたちは興味津々といった具合です。

ここまでが遊具づくりの準備段階にあたります。
そして、カメラはいよいよ実際に遊具をつくっている製造現場に‶潜入〟します!

工場にはワクワクがいっぱい!

遊具は、鉄やプラスチックなど様々な材料からできています。とはいえジャングルジムやぶらんこやすべり台などを思い起こせば分かる通り、一番使うのは鉄です。遊具を支える柱だったりぶら下がるバーだったり、鉄パイプが一般的です。

デザインした通りに遊具をつくるには、鉄パイプを切ったり曲げたり穴を開けたりと、加工する必要があります。カメラはその作業現場を1つひとつ密着していきます。

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(切断の紹介画面)

鉄パイプを切るのは、写真のような巨大な丸いカッターです。手で持つ姿を見れば、その大きさや迫力は画面越しに伝わりますよね。やはり仕事の内容は、切断を担当するNitto社員が説明します。この後、実際に鉄パイプを切断する様子もしっかり実況中継しますので、子どもたちはさながら目の前で見ているようなリアルな体験を味わえます。

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(溶接の紹介画面)

ある金属と別の金属を高温で熱してつなげるのが溶接という作業です。こちらも実際の作業を画面越しにご紹介します。危険な作業のため、これまでの工場見学では子どもたちは離れた場所から見守っていました。しかし今回はリモートなので、その心配もありません。むしろ手元までグッと寄って見てもらえ、リモートならではの迫力を味わえます。

このほかにも「プレス」「組み立て」「ボール盤」「ベンダー」「木工」「塗装」など、いろんなプロセスがあります。
「へえ~」という感嘆の声が上がるプロセスがあれば、じっと無言で画面を見入る作業もあります。実際の工場見学ではもちろん、それぞれの現場を密着してご紹介します。

授業の一環として利用される小学校が多いですが、決してNittoの工場見学は堅苦しいものではありません。話術が巧みな社員も多く、「アハハ」「面白い!」と笑いが絶えないスタイルを目指しています。何はともあれ、1つの遊具が生まれるには多くの社員、そして様々な技術が関わっていることを学んでもらえたら嬉しいですね。

リモート工場見学の価値と未来

モノづくりを学べる。参加して楽しい――。それはもちろんのこと、「かなりレアな場面を見られる」のもNittoの工場見学の特徴です。その1つが、まだ塗装も終えていない完成前の遊具をチェックする「仮組検査」。

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(仮組検査の紹介画面)

Nittoの工場は巨大であり、鉄パイプ、作りかけの遊具、工具や部品などが整理されて置かれています。ただし一角だけ、何も置かれていない広々としたスペースがあります。それこそが仮組検査を行う場所。そこでバラバラに分かれたパーツを組み立て、1つの遊具に仕上げるのです。

塗装前の無骨な鉄パイプのみで組み立てられた巨大遊具は、さながら‶恐竜の化石〟のよう。見上げるほど大きなものもあり、遊具のダイナミックさを感じられるシーンです。いつでも見られるワケではないので、巡り合えたらラッキーな工場見学ということです。

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(送られてきた子どもたちからのお手紙)

後日、小学校の先生からお礼のメールをいただきました。
「皆様のご協力に涙が出そうになるほど感激しました」

コロナ禍においては、突然の休校や子どものケアなど、多くの先生がかつてないご苦労とストレスに晒されていることと推察します。そのような状況においてもなお、こうして社会科見学を実施するなど子どものために頑張っている先生の姿に、私たちNitto社員の方こそ考えさせられるものがありました。

こちらこそ、ありがとうございました。
子どもたちからも、嬉しいお手紙やイラストをたくさんちょうだいしています。ありがとうございます。

新型コロナの影響により、多くの消費者や学校や企業が変化を求められています。それは遊具メーカーであるNittoも同じこと。

どうすれば遊具の面白さや価値を未来へと繋いでいけるのか――。
その答えの1つが、リモート工場見学ではないかと考えています。

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