「子どもたちには、とにかく思いっきり遊びまくれ!と言いたいです」
楽しげに語るのは、メンテナンス部の長澤隆太郎。公園を訪れて遊具の点検を行う‶現場〟がメインの部署において、業務管理やデータ作成といった‶事務〟を担う、言わば司令塔のような存在です。Nittoのメンテナンス部は業界内でも屈指の規模を誇り、彼の仕事の巧拙が部門全体に大きな影響を及ぼします。
今回は「メンテの司令塔な職人」という事例です。
遊具点検のパイオニア
25,000基以上――。これは現在、Nittoのメンテナンス部が1年間に点検している遊具の数です。パッと聞いてもイメージが湧かないと思いますが、毎日200基近くの遊具を公園に行って点検していることになります。野外での点検はハードな作業ですが、これをNittoは何十年と続けています。
「今でこそ、遊具点検は多くのメーカーにおいても重要なセクションになってますが、まだ‶遊具の点検を一つの仕事にする〟という概念すらない時代から、ニットはいち早く専門部署を設けて点検に取り組んできました。まさに遊具点検の草分けですね」
Nittoのメンテナンス部は業界内で比較しても、かなり多くの点検者が在席しており、だからこそ日々多くの遊具を点検することができているとのこと。それに伴って、遊具に関する知識や情報も豊富に集まってくると長澤は話します。
(踊場板に異常がないか丁寧に確認するNittoの点検者)
公園に設置されている遊具は新しい・古いという違いはもちろん、置かれた環境や利用状況によっても劣化スピードや不具合の箇所は異なってきます。また海外製だったり、その公園だけにしか存在しないオリジナル遊具だったり、種類も多岐にわたります。そして、それらを使うのはパワー全開の子どもたち。
必然的に点検者にはしっかりとしたスキルと経験が求められます。遊具自体に関する知識、公園という空間への見識、さらには多くの遊具を見てきた実績。そのどれ一つ欠けてはなりません。
「子どもたちには公園でひたすらに遊び回って欲しいんです。少し怪我もして、順番待ちで友達と喧嘩して。で、また一緒にぶらんこ乗って・・・。そんな大切な場所を一つでも多く守ってあげたいと思ってます」
見て、触って、遊んで
遊具の管理・維持というのは自治体にとって細かく大変な業務であり、おのずと点検結果は欠かせない情報となります。このため長澤は、多くの部署と連携を取りながら情報の優先順位を見直したり、業務を精査したり、自治体に新しい管理方法を提案したりするなど、常に「生きた情報」を用意することを心がけていると話します。そこには彼のキャリアが関係しています。
Nittoに入社する以前は、とある有名企業にてビジネスモデルの構築から顧客対応、さらにはマーケティングまでこなす‶何でも屋〟でした。「どうすればお客さまに喜んでもらえるのか」「業務を効率的に進められるか」。常にそんな問題意識を持ちながら働いてきた経験が、現在の仕事に生きているようです。
「遊具の点検にともなう業務は、デジタル化や効率化できる余地がたくさんあります。実際、入社後から今まで多くのツールを取り入れて改善を行ってきました。ドローンでも飛ばして非破壊検査なんてできたら、よほど効率的になるでしょうけどね。ただ、それだけでは公園は守れないと思ってます」
点検のため公園に行くと、子どもたちが遊んでいる様子が目に入ってきます。すると、遊具だけ見ていては気づかない小さな発見をすることも。
「大人は注意してモノを扱うので、多少の問題は利用者の方でカバーしてくれます。でも、子どもはそんな事おかまいなし。『夢中で登ろう!』『思いっきり揺らそう!』という感じですよね。そんな‶子どもの視点〟に立って実際に触ったりすることで、初めて気づける危険も結構あるんです」
(力が強くかかるスプリングなどはしっかり揺らして点検)
「子どもに関わる仕事をしたい」との思いから転職した長澤。遊具業界に入ってからも仕事の効率化に邁進する一方で、「遊具点検」の奥深さも実感しており、それが日々の励みと楽しみにつながっているようです。
子どもの視点、自治体の視点、企業の視点――。様々なパーツが組み合わさって「Nittoの遊具点検」はつくられています。
やっぱり遊具は面白い!
遊具の先進国といえば欧米ですが、もちろん日本も追いつき追い越そうと進化しています。それは日々、点検業務を通して遊具を見ているとよく分かるそうです。
「遊具も時代ごとにどんどん変化してますよね。古い遊具を見たとき、『昔こんな遊具で遊んだっけ、懐かしいなぁ』って僕らは思うじゃないですか。久しぶりにぶらんことかに乗ると、不思議な浮遊感に大人でも興奮するものですよね? 今の子どもたちも大人になって久しぶりに公園に行ったら、同じことを感じると思うんです。その遊具に詰まった記憶と一緒に。遊具っていつの時代でも、心の深いところに想い出として残る、素晴らしいものだと思ってます」
普段はデスクワークの長澤。業務管理や自治体サポートなどの戦略的イメージが強いのですが、じつは点検免許も保有しており、ときには現場にも出ます。Nittoや自治体という「内部」に精通しながら、公園や子どもという「外部」も知ることで、俯瞰的に仕事をすることを意識しているそうです。
(遊具愛にあふれるメンテナンス部の司令塔――「メンテナンス部 長澤隆太郎」)
現場に行けば、熟達したNittoの点検員――。
裏方を見れば、長澤のようなスマートな社員――。
Nittoのメンテナンスの強みは、「2つの異能」がうまく絡み合っているからでしょう。
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