新型コロナの影響により、会議がリモートに置き換わったり計画を見直したり、働き方を含めて大きな変化のあった1年でした。初めてのことに戸惑うことが多かったですが、決して悪いことばかりでもありません。工夫することで、むしろ進化した部分もあるからです。
その1つが「工場見学」。Nittoでは例年、小学生を招いて工場見学を行っており、「普段は見られない遊具づくりの現場をリアルに味わえる!」と、子どもたちから大評判です。
(随時開催された「リアル工場見学」)
新型コロナ対策として「リモート工場見学」を始めたのですが、密を避けるために考案した様々な手法が好評で、それをリアルな工場見学にも導入したところ思わぬ‶進化〟が見られたのです。
「じっくり作業が見れて勉強になった」
「新しいショーを見てるみたいです」
エンタメ性がグッと高まり、主役である子どもはもちろんのこと、引率する先生からも絶賛の工場見学となったわけです。この新たなスタイルは、Nittoの工場見学をさらなる飛躍へと押し上げる予感もしています。そこで今回は、2021年の子どもたちに向けて工場見学の変化をご紹介したいと思います。
ライブ感満載!の溶接シーン
鉄を切断するカッターや巨大なクレーンなど、工場には危険なモノがいっぱいあります。でも、子どもたちが見たいのは、じつはそういう危険なモノやコト。大好きな遊具の工場となれば、なおさら興味は沸いてくるもので、なかでも人気を集めるのが「溶接」です。
ダイナミックに飛び散る火花は、モノづくりを象徴するシーンとして子どもたちの記憶に残るようです。また、職人の真面目な仕事ぶりに感銘を受ける場合も多く、Nittoでも見学コースの1つに採用してきました。
溶接シーンを子どもたちに間近で見せるのは危険なため、これまでは遠くから見守るスタイルでした。しかし、リモート工場見学では臨場感をより味わってもらうため、溶接する社員の頭に小型カメラをつけて作業の様子を配信しました。
これが子どもたちから想像以上に評判が良く、リアルの工場見学にも応用したのです。
(小型カメラをつけた状態での溶接作業)
飛び散る火花と、静かに響く独特の音――。仕事に打ち込む姿は緊張感にあふれ、まさに真剣勝負そのもの。おいそれと声をかけることすら躊躇われます。やはり、本物が放つ空気感は現場ならではしょう。リアル工場見学では、こんな‶緊迫の現場〟を間近で体験してもらえます。
(モニターに釘付けの子どもたち)
その一方、溶接する手元の様子はモニターで上映。事前に撮影した動画ですが、ほとばしる青い閃光や、材料が徐々に姿を変えていく過程などは、あたかも作業する社員の‶肩越しに覗き込む〟ような感覚で、子どもたちを魅了します。
「スゴーい! 熱くないの?」
「花火みたいできれい」
すっかりモニターに釘付けの子どもたち。働く社員の緊張感をすぐそばに感じるからこそ、溶接の繊細さやダイナミックさもひしひしと伝わるようです。なお、溶接した鉄パイプは子どもたちにも触ってもらうなど、体験できるものは体験してもらっています。
遊具工場という現場には特有の臭いがあり、見えない気配もあります。子どもは敏感ですから、五感だけでなく第六感でいろんなことを吸収するのかもしれませんね。
まるで手品のような作業説明
遊具は、鉄やプラスチックなど様々な材料からできています。数はさほど多くないですが木も使われており、例えば、シーソー板もその1つ。積み木や図工の授業など、木は子どもにも身近な材料ということもあり、リアルな工場見学では木を使った遊具づくりも紹介しています。
(サンプル片手に木工を紹介)
社員が手に持つのは、小さなサンプルの天然木です。実際の遊具づくりでは、大きな天然木を切ったり穴を開けたり塗装したり、様々なプロセスを経て子どもたちが乗るシーソーは完成します。そんな「シーソーができるまでのストーリー」を説明するのですが、ここで問題が。
説明だけでは伝わらないことって、よくありますよね?
話だけだと、子どもたちが飽きてしまうこともありますよね?
だから、サプライズを用意!
「みなさん、後ろを見てごらん?」
(突然現れた新品のシーソー)
目の前で眺めていた小さな天然木が、あっという間に「真っ赤なシーソー」に変身! まだ製作途中というレアな姿も、余計に子どもたちを興奮させます。まるで手品みたいな演出に子どもたちは大歓声を上げ、そんな様子を見たNitto社員たちも、心のなかで大きくガッツポーズ!
どうやって子どもたちを喜ばせようか――。
子ども好きの多いNitto社員にとって、工場見学は仕事でありながら大切なイベントのようでもあり、かなり真剣になって取り組んでいるのです。
もちろん、その情熱はときにマニアックになることもあります。例えば今年は、工場見学にくる子どもが高学年のときは説明するテーマやレベルを上げる、という新たな試みにチャレンジしました。鉄パイプを引き込みながら曲げるドローベンダーという機械の説明では、「鉄を構成する分子」にまで言及してみたり。
たとえ今は理解できなくても、いつの日か「この話、小学生のときニットの工場見学で聞いたやつだ!」と思い出してくれたら、それだけで十分です。
「2021年の工場見学」 リモートもリアルもどしどしお申し込みください!
「今年も工場見学をやっていただけますか?」
こんなお問い合わせをたくさんいただいています。新型コロナの影響やNittoへの配慮から、工場見学を遠慮されている先生方が多いようなのです。しかし、そのたびにNittoでは次のようにお答えしています。
「喜んでお受けいたします。子どもたちは、私たちの一番のお客さまですから!」
受け入れ体制もこの1年で着実に進化しており、毎回可能な限りの感染予防対策を実施しています。
今年は、以下の小学校がリアル工場見学のため来社されました。
◆羽村市立富士見小学校 3年生90名
◆羽村市立武蔵野小学校 3年生78名
◆羽村市立小作台小学校 3年生66名
◆福生市立福生第一小学校 5年生57名
学校、先生、子ども、そして保護者のみなさん、ご協力ありがとうございました。残念ながら数校は予定が合わずお断りをさせていただき、申し訳ございませんでした。
(ここにいるのかな? 未来のNitto社員)
いつも工場見学を終えると、3割ぐらいの子どもは「Nittoで働いてもよい」と答えてくれます。冗談か本気か、それは分かりません。でも、子どもたちの真っ直ぐな目を見ると、あながち夢物語ではないような気もしてきます。
「いつか、ニットの入社面接の際に、『小学生のとき工場見学に来ました!』という若者に出会えたら、やっぱり嬉しいですよね。何だか夢があって希望があって、最高じゃないですか」
Nittoの現場責任者である工場長は、こんな風に語ります。
Nittoの工場見学はエンタメがいっぱい!
2021年も、社員一同でお待ちしています!
エンタメ性あふれる「Nittoの工場見学」に関するお問い合わせはこちら
/contact/