昭和の話ですが、「凍ったバナナで釘を打つ」というCMがありました。マイナス40度の極寒の世界を分かりやすく説明するための演出で、バナナだけでなく凍ったバラの花びらがパリパリと割れるシーンも登場します。
大きなインパクトから話題になったのですが、肝心のCMの中身はと言えば、バナナの宣伝でもバラの紹介でもありません。CMの正体は、車に使うエンジンオイル。極寒の世界でもサラサラと流れるエンジンオイルを映して、「これだけ我が社の製品は高性能なのです」とアピールしているのです。
安全性を確認したり耐久性を追求したり、メーカーにとって製品の試験は付き物と言えるでしょう。もちろん、遊具メーカーであるNittoでも様々な試験を行っています。
例えば、「リンクミニ」という製品。子どもが乗って前後にユラユラと揺れる乗り物で、ウサギやラッコやカエルなどいろんなタイプがあり、「ユーモラスな姿が可愛い」と人気を集めています。
製品の特徴として前後の連続動作があります。乗り物を支える軸が折れてはいけませんし、子どもが何度乗っても大丈夫な耐久性が求められます。
そこで徹底的な可動試験を行うわけですが、ちなみに何回行うと思いますか?
答えは100万回。
「100万回!? そんなにテストするの!」
Nittoでは小学生向けの工場見学を行っていますが、可動試験の話をすると、ほとんどの子どもが目を丸くします。引率する先生もビックリされます。100万回といえば途方もない数字だからでしょうね。
さて、問題はその‶試験法〟にあります。いくら安全性のためとはいえ、Nittoの社員が製品にまたがり100万回も揺らすのは、さすがに無理があります。そこで使用しているのが、無人で製品を揺らし続ける専用マシーン「TRK-001」。
何だかロボットみたいな名前で、ちょっとカッコイイですよね。
じつはこのマシーン、Nitto社員が設計から製造まで手がけた‶自社製マシーン〟なのです。
試験の様子を紹介した18秒の動画がありますので、ご興味のある方はぜひご覧ください。どことなく昔風の、長閑な動きをみせるマシーンの姿に思わずホッコリ。
https://www.youtube.com/watch?v=A9IhPMNkZBo
(リンクミニ耐久試験「日都産業」)
ちなみに100万回とは、子どもがリンクミニで5年遊んだ期間の目安となります。
遊具のためならどこまでも――。試験のための専用マシーンまで自分たちでつくってしまう。それが「Nitto流の開発」というわけです。
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