少し前のことですが、日本経済新聞に次のような記事を見つけました。「誰でも遊べる公園みっけ 障害あっても安全」(2021年1月23日付)。都立砧公園にある遊具スペース「みんなのひろば」を取り上げ、障害のある子も無い子も一緒に遊べる遊具などを紹介しています。
「インクルーシブ公園」と呼ばれる新たな動きであり、2020年3月にオープンした「みんなのひろば」が日本初の事例とされています。Nittoは同公園にインクルーシブ遊具を納入しており、つい先日も公園に関してメディアから取材を受けたばかり。その際、遊具の写真が必要ということで、この週末に現地へ行ってきました。
暖かな陽射しと晴天に恵まれ、大勢の子どもや保護者で賑わっていました。新型コロナの影響から全国的に公園の利用者は増加傾向にありますが、やはりインクルーシブ公園はユニークな遊具が多いためか、一般的な公園に比べてさらに人出が多いような気がします。
とりわけ目立つのが、小学生未満の子どもたち。インクルーシブ遊具は車椅子の子どもが楽にすべり台を利用できるなど全体的に低い設計となっており、そのぶん体の小さな幼児たちも遊びやすいのでしょうね。そばで子どもを見守りつつ、ときにサポートしたりときに自由にさせたりと、遊びながら教育や冒険をさせている保護者も少なくありません。
インクルーシブ公園には環境面でもいろんな特徴があります。例えば、遊具スペースにはラバーマットがふんだんに敷き詰められています。茶色の部分ですね。柔らかくて心地よく、転んだ際もダメージが少ないことを意識させてくれます。子どもは自然と大きな遊びにチャレンジしやすく、保護者には安心感をもたらす効果もあるのではないでしょうか。
他方、園路である白のアスファルト部分は広々としています。視界が良好なだけでなく、ベビーカーや車椅子も余裕を持って通れます。これだけ広いと、知り合いになった友だちや保護者はいろんなところで世間話に花を咲かせるでしょうね。
「みんなのひろば」そのものが大きな柵に囲まれていることも特徴でしょう。子どもが急に飛び出すという危険はほぼ解消できます。合わせて駐車場から広場までの導線がフラットなので、周囲から公園全体がよく見渡せることも大きな安心感につながる気がします。
遊具のみならず広場全体の設計デザインを含めて、何気ないところまで細かな配慮がなされているのが、インクルーシブ公園の魅力であり本質なのかもしれません。
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