前回の記事では、文部科学省が実施する「新体力テスト(65歳~79歳対象)」を行える器具として、「①握力」「②上体起こし」「③長座体前屈」の3つをご紹介しました。ご興味のある方はぜひご覧ください。
自分で測定できるし、健康にもなる器具――「新体力テスト器具①」
さて今回は、残り3つのテストに対応する器具をご紹介します。シニア層が気にしやすい下半身メインのテストとなりますが、「測定しながら健康にもなれる」のがポイントです。
④ 開眼片足立ち
平衡感覚を測定するのが「開眼片足立ち」というテストです。地面に描かれた‶白い足あと″を順にたどって黄色の手摺まで進み、そこで目を開けたまま片足で立ちます。よろけても手摺があるので安心。またジグザグに歩いたあとで片足立ちを行うことで、平衡感覚を養う効果も期待できます。
そもそも普段の暮らしのなかで、あえてジグザグに歩いたり片足で立ったりすることはないですよね?しかし、高齢になると意外な能力が落ちていることは多く、平衡感覚もその1つ。つまり、重要なことは‶自分の現状を知る″ことにほかなりません。
この器具を利用すれば、現状を知るだけにとどまりません。能力が弱ければトレーニングをはじめたり、暮らしのなかで気をつけたり、健康のために自分を促すことができるわけです。
⑤ 10メートル障害物歩行
等間隔に並んでいる障害物をまたいで歩くのが「10メートル障害物歩行」というテストです。障害物の高さは20センチで、10メートルの間に6個あります。これを「何秒で歩けるか」を測定します。
「20センチという高さがわりと盲点なんですよ」
高齢者で一番気を付けたいのは転倒です。それがきっかけとなり骨折、さらには入院というケースが少なくないからです。しかもその転倒というのが、何もない平地だったりふすまの敷居だったり、わずかな段差につまづく場合が多いのです。
自分が思っているほど足は上がっていない――。これが大きな原因とされています。何秒で歩けるかというスピードはもちろんのこと、つまづき予防を意識してもらうテストです。
⑥ 6分間歩行
先のスピード測定とは反対に、「どのくらいの距離を歩けるか」を測るのが「6分間歩行」というテストです。公園の外周に5メートル間隔でラインが引かれたコースがあり、6分間歩いて距離を測ります。ポイントは‶普段歩く速さで行う″こと。なぜならスピードを競うのが目的ではなく「長い時間きちんと歩けるか」を知るためのテストだからです。
誰でも簡単にテストを行える掲示板も販売しています。写真左の「総合案内板」は、自分の結果をチェックするためのもの。写真右は「個別説明版」。6つの器具それぞれにイラストと説明文があり、使用方法や注意点などが分かりやすく紹介されています。
「今回は上体起こしが改善した」
「障害物歩行はまだ苦手だから少しトレーニングしよう」
「今度は、近所の〇〇さんを連れてこよう」
シニア層に必要なのは、日頃から健康へ意識を向けること、そして自分の状態を知っておくこと。それをサポートするのが、いつでも気軽に測定できて健康にもなれる「新体力テスト器具」というわけです。
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