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枠の大きさには意味がある――「ジャングルジム」

2021年08月24日メンテの裏側
  

公園の遊具にはトレンドがあります。昭和の時代は、砂場・ぶらんこ・すべり台がいわゆる‶三種の神器″と呼ばれていました。時代が移った今は、すべり台やジャングルジムといった複数のアイテムが合体した‶コンビネーション遊具″が人気を集めています。

理由の1つは「遊びのストーリーを創造しやすい」ことにあります。
例えば、壁登りの次にジャングルジムへ移ったり、ジャングルジムからすべり台を降りたり、子どもは複数の遊びをうまく組み立てつつ想像力や体力を養います。

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(近年人気のコンビネーション遊具)

「スペースが限られた公園でも、子どもには目いっぱい遊んで欲しいですよね?そう考えると、幾つもの遊びが詰まったコンビネーション遊具は最適です。また、親しみやすい公園のため、地域住民からの要望が多いという側面もあります」

とある公園管理者はこのように語ります。
Nittoでは「小さな公園に最大の遊びを」というコンセプトのもと、リーズナブルでラインナップが豊富なコンビネーション遊具を販売しています。
コスパに優れたアドベンチャー遊具――「あそびっく」

ところで。
このコンビネーション遊具のメインアイテムのジャングルジム。構造としてはシンプルですが、点検するメンテナンス担当者の視線はちょっと違います。

「え?そんなとこまで調べるの?」
「へえ、知らなかった」
など、知れば納得するポイントがいっぱい。そこで今回は、「ジャングルジムの点検」をご紹介します。

「大人が内部に入れる」という規準

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(ジャングルジムの開口寸法を点検)

上記の写真は、メジャーを用いてジャングルジムの開口寸法を点検している様子です。
「正しい大きさになっているか」を測っているわけですが、公園で点検をしていると、近くで遊んでいる子どもから質問を受けることがよくあります。

「1つの枠の大きさはどうやって決めてるの?」
ジャングルジムに関するこのような質問もその1つ。じつは‶枠の大きさ″こそ、安全面に関わる重要なポイントです。

ジャングルジムの遊び方の特徴といえば、枠のなかを通り抜けて登ったり降りたり、あるいは右に行ったり斜めに登ったりなど、まさしく自由自在な空中体験にあります。これほど子どもが自由に動けるのだから、枠はけっこう大きい気がします。ただ、ちょっと身体の大きい子どもはくぐるのに苦戦しており、意外と小さいのかな?という感じもします。

子どもから質問を受けると、いつもNittoのメンテナンス担当者は優しく教えてあげます。

「もしジャングルジムの内で何かあったとき、不安だよね?だから1つの枠は『大人でも内部に入れる大きさ』と決めてあるんだよ」

遊具を点検するだけでなく、「なぜそうなのか?」といった理由まできちんと説明します。遊具の構造などを知ることで、子どもは正しく遊んでくれるようになるからです。

このようにNittoのメンテナンス担当者は、遊んでいる子どもと会話することを心掛けています。
興味があって声をかけてくれるケースが多く、そこにはメーカーにとってヒントになる意見も数多くあります。また、子どもたちを通して、公園や遊具の実態を学べるとも考えるからです。

ちなみに、枠の大きさは1つとは限りません。その一例が、幼稚園や保育園など幼児しか使わない場所に設置するタイプ。幼児向けのジャングルジムは、そもそもサイズが小さいためです。

ジャングルジムの空にも注意を払う

子どもはとにかく元気です。安心して遊んでもらえる製品づくりを目指していますが、危険性を低く抑えるために「遊具の点検」という仕事があり、それはとても細かな部分にまで及びます。

例えば、ジャングルジムの場合。枠のなかを自由自在に遊び回れるゆえに注意しないといけない箇所があります。それはパイプの交差部分です。

「遊びに夢中になりすぎると、手元や足元の確認がおろそかになってしまうケースがあります。その際、衣服などがパイプの交差部分に引っかかり、バランスを崩してしまうこともあります。こうしたトラブルを未然に防ぐため隙間を広げたり、ボルトやナットなどの出っ張りを少なくしたり、いろんな工夫を施しています」

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(ジャングルジムの交差部分の点検)

点検する部分は遊具本体にとどまりません。遊具で‶遊ぶスペース″に関しても規準があり、空間までもが点検の対象となります。このスペースを「安全領域」と呼びます。ぶらんこと鉄棒では遊び方が異なるように、遊具ごとに異なります。

ところで、ジャングルジムの安全領域に関しては、子どもや保護者ですら気づきにくい盲点があります。それが「空」です。空とは、いったいどういうことでしょう?

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(ジャングルジムの上までしっかり点検)

「元気な子どもほど、てっぺんまで登りますよね?もちろん、構わないのですが、子どもの遊ぶスペースを正確に考えるなら『子どもの頭上』、つまりはジャングルジムの上にある空間まで含まれます。もし木の枝や葉が伸びていたら、子どもの視界を遮ったり当たったりと、危険です。このためジャングルジムが設置された空まで点検します」

上の写真は、さながら植木屋さんのようですが、これも点検の1つの光景です。

地域住民に見守られて――

Nittoのメンテナンス担当者は、業務として公園に出向いていろんな遊具の点検を行います。不具合を見つければ自治体に報告し、要請があれば修繕を施すなどして公園を陰から支えています。しかし、公園を守っているのはメンテナンス担当者だけとは限りません。

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(公園に設置された看板)

地域のみなさんが自主的に公園の清掃活動を行っているケースがあります。瓶の破片を集め、夏場ともなれば花火で遊んだ後のゴミまで。地域住民のみなさんが、日頃から人知れずサポートしている力も大きいのです。

公園や子どもは、多くの人々に見守られて存在しています。
ぜひ子どもたちも、「次に遊びにくる友だちのため」に遊んでほしいですね。


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